古い建物の価値を再生するって?低コストな経営で長持ちさせる方法も


スギウラ・アーキテクツ、代表取締役の杉浦です。

2024年の夏にパリオリンピックが開催され、サステナビリティがテーマの1つとして採用されていました。

例えば歴史的な建造物が競技の舞台として使われており、フランスの文化的な魅力を活かした取り組みに私も建築家の1人として注目していました。

ヴェルサイユ宮殿の厩舎をリノベーションしたヴェルサイユ国立建築学校に在籍していたこともあり、競技を観戦するだけでなく建築の視点からも楽しめたオリンピックでした。

このような経緯から、今回はパリオリンピックに関連づけてサステナブルな建築に関する弊社の取り組みを解説したいと思います。

じつは意外と歴史が長い?サステナビリティを重視する建築

フランス(ヨーロッパ)は古くから石造(組積造)の建築文化が根付いており、建造物の内部だけを改修するリノベーションは盛んに行われていました。

一方で日本では、古くなった建物を壊して新築する「スクラップアンドビルド方式」がこれまでの主流でした。

しかし近年はサステナビリティに配慮した古い建物を活かす設計が求められる場面が増えました。

既存の建物をできるだけ壊さずに、補強、リノベーションする傾向です。

弊社もお客様が求める条件と環境への配慮を両立させるために、「既存のものをいかによりよく活かすか」ということと向き合う日々ですので、共通するものがあると感じています。

サステナブルな建築の具体例とは?

既存の建築物を大切に使いながら使い勝手や利益も追求することは、サステナブルを重視する社会の流れの中で重要です。

古い建物をより良く使う方法として、

・安全性や利便性を高めるための設備の更新
・ニーズに応じた内装デザインの変更
・新たな価値の創造のためのリノベーション

などの方法があります。

例えば老朽化したオフィスビルをホテルや住居として生まれ変わらせることも行われています。

既存の建物を使うことで受けられる恩恵は、

・地域の人に慣れ親しまれたイメージを残せる
・工期を短縮できるため建物を早めに使い始められる
・一部分の改修で済むことも多いため新築と比較して費用が安めになる 

ことなどが挙げられます。

”既存の建物を活かした設計”はスギウラ・アーキテクツの得意分野

私たちはデザイン変更などのちょっとしたリフォームから、廃校活用など用途変更を伴う大規模な改修までさまざまな案件に関わってきました。

弊社は「何を残して何を新しくするか」について、これまでの豊富な経験と知識をもとにアドバイスが可能です。

また「設備の更新がうまくいくような設計」も心がけています。

設備を適宜更新していくことで、建物自体を長く使い続けることができます。

建物の中でも構造躯体は長持ちします。
(例えばコンクリートは50〜60年程度であれば問題なく使えることも多いです。)

一方で、設備関係は比較的短い期間でのメンテナンスが必要です。

水回りや電気設備関係は技術の進歩が早いため古さが目立ちやすいという特徴もあります。

もし大規模な改修が難しい場合には、部分的に変えるだけでも雰囲気を変えられたり快適性を高めたりできるでしょう。

設備以外では、雨風や紫外線にさらされる屋根・外壁も傷みやすい箇所です。躯体を守るためには定期的にメンテナンスすることが欠かせません。

屋根材や塗料などは種類によって耐用年数が異なるため、ご希望に合わせたご提案が可能です。

躯体など長く使えるところはうまく活かしつつ、設備や外回りは適宜メンテナンスをすることで全体の費用を抑えながら建物をよりよく活用できるようなサポートもしています。

次回は、古い建物の活用に向けどのようなフローでスタートしていくか?

という点をお伝えしてまいります。