建築の力でBCP対策!!?補助金の活用もできるBCPって?


災害が多い今日この頃ですが、目先の業務に追われて、非常時の対策がつい後回しになってしまっている企業様も多いかもしれませんね。

そこで大事になるのがBCP対策です。

BCP対策、御社は行っていますか?

BCPのサポート活用できる補助金について、今回は詳しくお伝えします。

BCP策定による災害対策は当たり前の時代に

BCPの内容や実態、今後のリスクについてまとめました。

BCPとは?

BCP(事業継続計画、Business Continuity Plan)とは、災害時に発生するリスクを回避するためのものです。

災害時に企業に降りかかるリスクには以下のようなものがあります。

・商品の生産や販売の停止
・顧客満足度の低下
・従業員の身の危険
・建物や機器の破損
・顧客情報など重要なデータの損失、流出

などがあります。

当然のことかもしれませんが、災害はいつやってくるのか予測できません。

「変化に対応できず経営を続けることが難しくなってしまった」

「リスクヘッジをしていれば良かった」

こうした後悔をしないためにも、BCP策定は先延ばしにせず優先的に取り組むべき課題だと考えています。

もしコスト面が不安な場合には、補助金の活用について検討してみるとよいかもしれません

専門家に尋ねると、補助金を活用したBCPについてアドバイスが受けられる場合があります。

BCP策定の実態と今後の災害リスク

内閣府が公表している企業の「企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」によると、BCPを策定している大企業や中堅企業の割合は年々増加しています

例えば東日本大震災が起きた平成23年は大企業は45.8%、中堅企業は20.8%でした。

令和5年には大企業は76.4%、中堅企業は45.5%まで増えています。

対策している企業は増加しているものの、中堅企業は全体の半分も満たしておらず大企業に遅れをとっているのが現状です。

近年は台風や大雨による洪水や大規模な地震など災害が頻発しています。

また「南海トラフ巨大地震や首都直下地震が今後30年以内に起こる可能性は70%」といわれていることも事実です。

「このまま、将来も事業を続けられるのか」という不安を抱えている方も多いかもしれません。

弊社は一級建築士事務所として、事業継続を支える大切な建物や設備、社員などを守る必要性を感じている方のお力になりたいと考えています。

設計技術によるBCPのサポートとは?

設計技術を活かしたBCPについて詳しくお伝えします。

1.「どのリスクに対して備えるべきか」を知るためのヒアリングから

まずは、BCPで何のリスクに対してどの程度安全さを強化したいのかなどをお聞きすることから始めます。

建築分野で対策できる災害の具体例は以下の通りです。

・地震(津波も含めて)
・台風(強風、大雨、洪水など)
・落雷
・雪
・火災
・停電
・パンデミック

など対応する対象は様々です。

ハザードマップや建築基準法などを参考にしながら、リスクを洗い出します。

病院や市役所などの災害が起こってもダウンしていけないところは、より厳しい基準が設定されているためそうした条件を整理することも欠かせません。

ちなみに、これまで使ってきた建物が現在の法律の基準を満たしていない場合には改善できるような方法を考えます。

法的な基準を満たすことはもちろん、目的に応じたより良い方針を提案いたします。

不安や心配事がございましたらどうぞ遠慮なくお申し付けください。

2.BCP策定のサポートの例

BCP策定のサポートについて、近年建築分野でも対策を強化している「水害」を例に挙げて解説します。

※水害を例に取り上げた理由は、水害対策の重要性に改めて気がついていただきたく思っているためです。

・今の時代ではあらゆる分野で事業継続に電気が必要不可欠です
・電気設備は「水に圧倒的に弱い」という特徴があります
・病院や介護施設などでは電気の安定供給が人命にも関わることもあります

水害にはさまざまなリスクがあるため、BCP対策が重要です。

建築業界で対応できる水害対策には次のようなものがあります。

・防水板(止水板)の設置
・防水壁(止水壁)の設置
・排水設備の導入
・電気設備の高所への移動・設置

以下のようなケースは水害のリスクが特に高いため、対策を強化する必要があると考えられます。

・電気室や発電機が地下や1階にある
・工場などで機械が1階にある

現在は発電機や電気室は地下に設置せずに2階以上にすることも多いです。

ちなみに、万が一電気がストップしてしまった場合に備えて蓄電池を導入するという方法もあります。

設置するタイプ以外に持ち運びできるタイプもあり、求める機能に応じて選ぶことが可能です。

電源の落ちないような空間づくりや蓄電池の導入などの有効な手段を専門家の立場から提案いたします。

3.【コストの問題】補助金活用もサポートします

BCP策定のコストを抑えるための補助金活用のサポートが可能です。

補助金活用にはさまざまな方法があります。

ここでは省エネに関わる補助金の活用が期待できる、据え置き型蓄電池と太陽光発電を併用する例を紹介します。

据え置き型蓄電池と太陽光発電を組み合わせることで、日中に余った電気を蓄電池に貯めて夜間や緊急時に使うことが可能です。

非常時への備えだけではなく電気代の節約ができるというメリットもあります。

「太陽光発電は初期コストがかかることがデメリット」といわれることもあります。

しかし、省エネに関わる補助金を活用することで低コストで導入できる可能性が高いです。

弊社は省エネ×BCP対策などの補助金活用のコンサルティングも可能ですので、興味のある方はお気軽にご相談ください。

実はこんなところにも。設計による身近なBCP

最後に、BCPについてイメージしやすいように地下鉄を運営する企業様の実践例を紹介させていただきます。

まず、浸水のおそれがある駅の入り口をよく見ると、壁や地面にはレールが敷かれています。

すっかり景色に溶け込んでいるこのレールは、有事の際に防水版(止水板)をはめるためのものです。

駅構内への雨水などの侵入を防ぎます。

また地下に降りる階段には、少し上がってからまた下がっていく構造になっているものがあります。

「なぜ一気に下がらずに、一回上がるの?」とツッコミを入れてしまいたくなるこの階段は、地下の浸水を防ぐ役割を担っているのです。

上記のような例も含めて、法律や企業努力による安全対策は街の機能や人命を守るために強化されているのだと実感します。

BCP策定については完璧さを求めることもよいかと思いますが、最初は優先順位の高いところから無理なく始めていくことが大切なのではないかと考えています。

まとめ

BCP策定をする企業は年々増加しています。

策定している企業は令和5年には大企業は76.4%、中堅企業は45.5%まで増えています。

必要性を理解していても、通常業務と並行して行わなければならないためどうしても負担に感じてしまうことも多いかもしれません。

弊社は一級建築士事務所として、設計の力でお客様に寄り添いながらご要望にそったソリューションを提案します。

「何から始めればよいのかわからない」

「自分の会社ならどういう方法が考えられるのかを知りたい」

という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

都内はもちろん、その他のさまざまな地域の企業様よりご依頼をいただいております。

地域特性をしっかりお調べした上で、必要なBCPなどを提案させていただきます。

コスト面の不安がある方にも寄り添った提案を心がけておりますので、補助金活用なども含めてご不明点はどうぞお気軽にご相談ください。